2009年6月16日火曜日

タチアオイの想い出〈It is my father.〉



今見るタチアオイのように大きくはなかったが、
子どものころ我が家の庭には毎年タチアオイの花が咲いていた。
花に吸い寄せられるようにミツバチや蝶がやってきて、さかんに
蜜を吸っているのを飽きずに良くながめていた。

ボクがまだ小学一年生のころの話、いちばん下の妹は
まだ生まれてなかった。

ある日曜の朝、おやじが「けんじろう アヒルを買いに行こう
と言った。おやじが30代半ばの頃だった。

ふたりは連れだって、隣町の養鶏場まで歩いて行った。
後に検証することになるが、大人の足で30〜40分の距離だった。
その時はずいぶん長い時間半日くらいは歩いたような記憶がある。
6月の空は青く強い日差しがふたりに降り掛かっていた。

おやじはランニングシャツになっぱズボンをはき、帽子を
かぶり
首にはタオルを巻いていた。
当時のことを実に良く覚えている、おやじの
白いランニング
日を浴びてすっごく眩しく見えていた。


やっとのことで養鶏場に着くと、おやじは養鶏場の人に声をかけて
アヒル」の雛を
3匹分けてもらった。
ボクは段ボール箱に入った雛を大事に
抱えて持って帰った。

家に帰り庭にアヒル小屋、そして小屋の中には池を作ってくれた。

その時に庭の片隅に「タチアオイ」の花が咲いていた。
タチアオイの記憶は時間を超えて、いまに繋がっている。

大急ぎで作りはじめた「アヒル小屋」は、日が落ちて薄暗くなる
頃に
やっと完成した。
台所から洗い桶に水をくみ、小屋の中の池に水を入れた。

ボクは晩ご飯もそこそこに、懐中電灯を持ち出し中の様子をずっと
眺めていた。


翌朝、事件が起きていた。
朝のエサやりに出て小屋を見ると、見るも無惨な
アヒルの姿が
そこにあった。イタチの仕業だ、アヒルの雛は3匹とも
バラバラに
喰いちぎられていた。イタチにボクとおやじの心はズタズタに

されてしまった。

それ以後、ボクは5年生になって鳩を飼うようになるまで
二度と
アヒルや鳥を飼うことが出来なかった。









空ちゃんは、お散歩もおやつもナシでいいよねー。



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12 件のコメント:

はやひで さんのコメント...

イタチ。ネコ。
昔は良く文鳥とか襲われたなぁー。

しかし、アヒルですか。
大きくなったら、それはそれで大変だったかも知れませんねー。

私は今でも鴨を飼ってみたいですが。。
ゞ( ̄∇ ̄;)

はしはし さんのコメント...

私もニワトリを食べたと疑われて
実家の飼い猫が・・・遠い昔ですが
それでも我慢できずに飼いました

アオイの花はこの時期とても
目だって好きな花の一つです♪

朝でもあひるですね(-∀-)

ken さんのコメント...

はやひでさん★
そぉそぉ、それとヘビですね。
なんでアヒルだったのか、よく解りませんが。ニワトリでも良かったと思っています。ニワトリだと鶏冠が出てきたときには、どうすんの!?

ken さんのコメント...

はしはしさん★
ニワトリも大きくなれば、ネコに負けないくらいの迫力がありそうです。
「タチアオイ」は昔はどこにでもあってつまらないと思っていましたが写真を撮るようになって魅力的に思えます。

秋桜 さんのコメント...

「タチアオイ」は雑草と思ってましたが、
最近は本当に綺麗な花と思うようになりました。カメラのお陰ですね。

「鶏冠」・・笑えました。
空ちゃんもいい役者してますね。

いわちゃん さんのコメント...

私も似たような記憶があります。
子供の頃にチャボを飼っていたのですが、ある日イタチかなにかに襲われました。

そういや昔は、いろんな動物を飼ってましたね〜
ウサギ、チャボ、犬、ネコ、ハムスターと。
同時期に全部を飼ってたときもありました。(笑)

ひまな さんのコメント...

子供のころは、この時期どこにでもあったような気がします。家の前庭とか門のそばとかね。紫色の小さな葵はなんていうんでしたっけ。それも懐かしいです。
最近、この葵、増えたように思うんだけれど。
子供のころが誰もが小動物を飼った経験がありますよね。野良猫や野良犬も親に隠れて・・・。どこかに縛り付けて今思えば残酷だったかも???

空ちゃん、だんだんおとうちゃんに似てきたわね(*^m^*) ムフッ

ルピア さんのコメント...

このタチアオイの花は、kenさんの家の花ですか?見事に咲いていますね~
私は子供の頃に、祖母と近所の家に鶏をもらいに出かけました。小屋も用意して、採りたての卵を毎朝食べるのを楽しみに。
でもそこの家の人が鶏小屋の鳥を捕まえようとしても、バタバタと逃げ回って捕まえる事が出来ず、しかたなく飼う事を諦めた思い出があります。
残念だったけど、鳥は犬や猫ににやられてしまうこともあるんですよね。
実は怪我をした鳩をたすけたんですが・・・

ken さんのコメント...

秋桜 さん◆
ボクの記憶の中の「タチアオイ」はもっと地味な花でした。きれいなピンクがあったり、黒のタチアオイが咲いていたのにはびっくりしました。
「鶏冠」・・▼・エ・;▼

ken さんのコメント...

いわちゃん◆
子供はいろんな動物を飼ってみること、情操教育のうえでも大切ですね。以後、私も含めてよい大人になったかどうかは別問題ですが・・。笑
しかし、イタチくん悪いやつやなぁ。

ken さんのコメント...

ひまな さん◆
(*^m^*) ムフッ・・いつもこんなことばかりいうてるのでお許しを。
子供の頃の「タチアオイ」はもっと地味な子でした。品種改良でもされたんですかねー、お洒落な感じになったこと。

ken さんのコメント...

ルピア さん◆
これだけキレイに咲いていると、当然のように目に止まりました。これは貸農園の入り口に植えられていたもんです。お会いした人から「美しいでしょ 存分にごらんください」と声をかけていただきました。
「怪我をした鳩」や「小鳥」、私も経験あります。やはり、自然の摂理を知らないと世話ができないことを知りました。